面白可笑しい!矛盾だらけの中国社会
GWの休暇を使って久しぶりに中国上海に行った。
現代の上海はとにかくすごい。
街に漂う高揚感、クレーン車だらけの新開発地区、高騰し続ける住宅価格、ブランドショップとファストファッションに埋め尽くされたモール……
日本で報道される中国の暗い闇とは裏腹に、先進国の持つ巨大な資本力と、途上国の持つ発展への希望が混ざり合い、不思議な熱気を醸し出している。
国営企業が市場の大半を占有しながらも、街角では多くの外資系企業がひしめき合い、個人経営商店は多産多死。
外に出かけると、一枚岩ではない中国経済の複雑さを感じるのだった。
バブル崩壊の気配は、多くの人たちにとってはまだまだ遠いようだ。
上海の住宅価格はあり得ないスピードで上がり続け、東京の相場を凌駕している。
知り合いは20代にして1億5000万円相当のマンションと1600万円近い外車を購入していた。
「こんなの当たり前でしょ。」みたいな顔をしているし、今後価値が目減りすることなんて考えてもないというか、もはやどうでもよいのだろう。
彼らにとっては、「今この瞬間」所有していることが何よりも大事なのだ。
テレビでは相変わらず北朝鮮のような国家賛美の歌やダンスが繰り広げられ、逆にラジオではイケイケのEDMばかり流れている。
ドラマでは日本は相変わらず「鬼子」などと呼ばれ悪者扱いなのに、モールでは「ここは日本?」と見間違うくらい日本のメーカーで溢れかえっている。
矛盾だらけで、都合が良いなぁ、なんて思ってしまうのが面白いところでもある。
共産主義的な建前と資本主義的な本質、対立するダイナミズムが作り上げているのが今の中国だ。
文化大革命の苦しい記憶がもたらした政府への恨み、しかし忘れることのできない愛国精神。
老若男女問わず国内SNSをまるで日本のJKのように駆使しながらも、頭の中では消し去れないあまりに保守的な伝統観念。
それはまるで
①『Always 三丁目の夕日』を彷彿とさせる戦後高度経済成長期
②日本中が消費と投資に翻弄されたバブル期
③SNSに傾倒する若者たちが謳歌する現代
3つの時代が一挙に到来しているかのようである。
とにもかくにもカオスな中国。
みんなJKみたいにスマホ依存症なのに、TwitterもFacebookもYoutubeもLINEもGmailもInstagramもまとめサイトも、何ひとつ使えない。
不便で仕方ないけれど、それも含めてなんだか笑えてきてしまうのだった。